禁煙でもっともつらいのは、心の依存

「もうタバコなしではやっていけない体だから…」と、禁煙をあきらめている人も多いかもしれません。しかし禁煙による身体的な禁断症状は意外に軽く、実際に問題なのは心の依存性のほうです。

「タバコがなかったらどうしよう」、そんな不安に打ち勝つことが、禁煙のもっとも大きな試練なのです。


身体的な離脱症状は、意外に早く消える

体からニコチンが抜けていくと、確かに頭痛や眠気といった身体的な禁断症状は出てきます。それは、今までニコチンが継続的に入ってくることで、体がそれに合ったシステムを構築してしまったからです。 ですからニコチンの供給が断たれると、しばらくの間はさまざまな不調に見舞われます。しかしそれも、体が本来のシステムを取り戻すために必要なプロセスだといえるでしょう。

これらの身体症状を緩和してくれるのが、ニコチンパッチなどの禁煙補助具です。ただしニコチンの離脱症状は意外に軽く、多くは3日~1週間で改善してきます。それよりも手ごわいのが、タバコへの心理的な依存です。

タバコは「愛しくも厄介な恋人」と似ている!?

どんなにタバコをやめたいと思っている人も、実は心のどこかで「タバコがなくなったら、これからどうしよう」という不安を抱えていたりします。タバコでなくとも、これと同じ心理状態を味わったことのある人は多いかもしれません。

たとえば頭では「別れたほうがいい」と分かっているのに、実際に別れたら今後どんなに寂しくなるだろう…と思い、なかなか離れられない毒のような恋人。タバコとは、まさにそれに近い存在です。 勇気を持って終止符を打っても、しばらくは理性と感情のはざまで揺れ動く日々が続くでしょう。

自分の選択が正しかったと分かる日まで、前を向いて乗り切ろう

タバコは、体には間違いなく悪いものです。しかしこれまで数年間、人によっては人生の大部分を共に過ごしてきた嗜好品でもあります。手持ち無沙汰の時、仕事でパソコンに向かう時、仕事が一段落してホッとひと息つく時…タバコはいつでもそこにありました。 どんなに体に悪いとはいえ、その精神的な効果までも完全に打ち消すことはできないでしょう。

しかし、いつまでも感傷に浸っているわけにもいきません。明らかに健康に害があると分かっているなら、やはり最後は理性で打ち勝たなければいけないのです。 愛着はあるけれども、自分の身を滅ぼす危険な恋人とは別れなければいけないのと同じように、タバコとも勇気を持ってお別れしなくてはいけません。

別れてしばらくは、後ろ髪ひかれる思いをするでしょう。それは最初から「想定の範囲内」であり、自然なことだと思うようにしてください。しばらく別れてみて、実際に体が健康になっていくのを実感すれば、その時こそ、別れた恋人がやはり厄介なものだったと分かるでしょう。

そこまで至るためにも、体が本来のシステムを取り戻すまでは、ある程度痛みに付き合う必要があります。さようなら、厄介な恋人よ…そんな気持ちで、どうぞ後ろを振り返らずにつらい期間を乗り越えてみてください。そのうち、必ず別れて良かったと思う日が来るはずです。