喫煙者も、実はタバコが嫌い!?

喫煙者は、「自分はタバコが好きだから吸っている」と思い込んでいるかもしれません。しかし「自分の子にもタバコをすすめたいですか?」と問われれば、YESとは答えない人のほうが圧倒的に多いはずです。

このように、喫煙者はタバコに関して大きな矛盾を抱えています。よくよく深層心理を紐解いてみれば、実は「タバコが嫌い」なスモーカーも非常に多いのです。


苦労なく禁煙できる薬があったら、ほしいですか?

愛煙家という言葉があるように、喫煙者はタバコを大切な嗜好品だと思っています。ですから健康の害を説教されてもカチンとくるだけで、「好きなものを吸って死ぬことの何が悪い」と開き直ることもあるでしょう。

しかし「ここに、今すぐ苦労なくタバコをやめられる薬があります。副作用もありません。どうしますか?」と聞かれたら、はたと考えてしまう喫煙者はかなり多いはずです。もちろん、前述した「子どもにもすすめたいですか?」という質問にも、口ごもってしまう人がほとんどでしょう。

本当にタバコが好きで素晴らしいものだと思っているなら、子どもにも堂々とすすめられますし、禁煙できる薬などほしくもないはずです。それができないということは、どんなに自分を愛煙家だと思っている人も、心のどこかでは「タバコは健康に良くないものだ。できることなら吸わないに越したことはない」ということを、きちんと理解しているのです。

それなのに「体に悪いから禁煙したら?」と他人に言われると、ムッとして「自分はタバコが好きなんだ」「タバコにも一利はある」などと言い返します。この不思議な矛盾が、喫煙者の特徴なのです。

自分の中の矛盾を認めた時から、禁煙は始まる!

人は、どんなことであれ続けるためには「大義名分」を必要とします。何かそれなりの理由づけをしないと、物事を継続しにくいからです。

特にタバコのように、誰から見ても体に悪いものを続けるためには、かなり強力に理由づけしなくてはいけません。ですから「自分はタバコの味や香りが好きだから」「吸うと仕事に集中できるから」「仲間との語らいに必要だから」といった大義名分をどんどん取り入れるのです。

しかしタバコの味や香りは、実はほとんどのスモーカーにとって好ましいものではありません。本当にそれが好きなら、ヤニで真っ黄色になった狭い喫煙室に入った途端、「臭い!」とは思わないはずです。

実際は、多くのスモーカーがヤニの匂いを不快だと感じますし、他人のタバコから流れてくる副流煙に顔をしかめたりします。アロマやお菓子の匂いとは違って、タバコの匂いはいつでもどこでも「ああいい香り!」とはいかないものなのです。 基本的には、自分がニコチンを補給する目的で吸っている間だけ、タバコをおいしいと感じています。

このように喫煙者は、口ではタバコが好きと言ってはいても、実際は相反する感情を内心に抱いていることがあります。その矛盾にみずからが気づき、内なる声のほうに従おうという気持ちを持った時から、本当の禁煙は始まるといえるでしょう。