日本政府が守ったのもの

日本の禁煙対策の取り組みは、諸外国に比べて非常に緩やかで「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」を無視しているかのように見えるのは理由があります。それはたばこを規制したら売上が減少し税収が減るからにほかなりません。


日本政府は条約の作成に積極的に関与

その条約の話し合いが進められていたとき、日本は諸外国から反対にまわると見られていました。なぜなら諸外国と違って、日本の国内事情があったからです。

日本政府はJT(日本たばこ産業)の大株主であり、たばこの売上減少は税収減に直結するため、たばこを規制するための条約を日本は批准しないとみられていました。ところが日本はその条約の作成に向けた協議から積極的に参加し、条文の作成に深く関与しました。

日本は国内法である「たばこ事業法」に影響を及ぼさないように条約を骨抜きにすることを最重要課題と位置づけていたようです。事前協議では条約の文言を何か所にもわたって言い換えることを提案、その効力を弱めることに成功しました。そこまでして日本が死守した「たばこ事業法」の目的とはいかなるものでしょうか。

たばこは税金をとるためのもの

「たばこ事業法」の第一条には、この法律の目的が「財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展」であることが明記されています。たばこの製造販売にかかわるあらゆる事業をこの法律によって調整し、税収を安定的に確保することを目的とするとしています。

「たばこ事業法」はあくまで、たばこ産業を国家の徴税の手段として位置づけているに過ぎず、そこには「国民の健康」についての配慮や言及はされていません。

たばこ産業を守ることは国益?

世界的な禁煙化の動きに対して、たばこの売上減少を少しでも食い止めることは国益に適うとして日本は「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」をなんとかうまく切り抜けたようにみえます。それは、条約が本来目指すところの「たばこの健康被害から世界の人類を守る」という目標から、日本の喫煙者は置き去りにされたことを意味します。 日本政府が守ったのは、たばこ産業とその監督官庁である財務省だったからです。