たばこ産業の歴史

日本ではタバコはたばこ産業株式会社(JT)が販売しています。このたばこ産業の歴史からタバコの文化を整理してみましょう。


たばこの発祥

たばこは南米 アンデス山脈が原産であり、16世紀ころには栽培されていたようです。コロンブスがアメリカ大陸に到着しタバコと出会ったことで全世界に広まります。日本にタバコが伝わったのは諸説がありますが、天文十二年(1543年)種子島に漂着したポルトガル人からの鉄砲伝来と同じとする説が有力です。俗説では豊臣秀吉がヘビースモーカーであり、淀君にもすすめていたという説があります。 江戸時代から明治にかけてタバコ大衆にも広まります。吸い方は喫煙道具の『キセル』を使います。キセルの火皿部分に刻みタバコ0.3mg程度をのせて火をつけて吸いました。キセルで吸うためには火皿にタバコの葉を詰めたり、吸った後のキセルの手入れがかかせまん。これが結構手間だったようです。

シガレット(紙巻きタバコ)の登場と専売化

明治の後期34年(1904年)日露戦争が開戦されたころ、紙巻たばこが登場し流行しました。紙巻たばこは工業製品でしたので資本を投入することで大きな利益が見込めます。また当時海外タバコの脅威がありました。自国産業を守る意味と税金を集めるためとして明治政府はタバコを製造専売することを始めました。大蔵省に専売局を設置され、昭和24年に日本専売公社となります。たばこの税金、利益を国に入れることが目的でした。

たばこ産業株式会社(JT)の登場

1985年4月に日本たばこ産業株式会社が誕生しまいた。たばこの独占製造権と塩の専売権を継承させて日本専売公社は解散となりました。ここで制定された法律に『たばこ事業法』、『日本たばこ産業株式会社法』があります。

たばこ事業法

たばこの専売制度が廃止となり日本専売公社を解散させるということで、その後の『タバコ』はどうなるの?タバコ農家は大丈夫なの?ということを明らかにしたのがこの法律です。ここでこの法律は財務省管轄です、タバコ農家はちゃんと買い入れするので大丈夫です。たばこ産業を今後も発展させて財政収入を安定に確保しますよ。ということをうたっています。

日本たばこ産業株式会社法

『たばこ事業法』をうけて、『日本たばこ産業株式会社法』の法律において、日本国政府は常時総数の三分の一以上の株式を保有することが明記されています。また業務目的として第一に『製造たばこの製造、販売及び輸入の事業』を掲げており、会社の取締役の選任、事業計画には財務大臣の許可が必要となっています。 もう、完全に国のお墨付きの優良企業ということでしょうか。健康に害すること国際的にも世論的にも明らかになっていますが、日本たばこ産業は健康を害する『タバコ』を国の命令で製造販売し続けるしかないのですね。

たばこ関連産業への国の関与の在り方について

平成27年6月に『たばこ関連産業への国の関与の在り方、日本たばこ産業株式会社株式の保有の在り方及び同株式の処分の可能性について』ということで中間報告されています。この中で、

・我が国たばこ関連産業及びJT株式の現状

を紹介し、『たばこ関連産業に対する国の関与の在り方及び政府によるJT株式保有に関する関係者の考え方』として「JT」「耕作者」「小売店」の3者にアンケートをとっています。

JTの意見を集約すると、

・国のJT株保有はたばこ事業法全般で議論されるべきなので政府で判断してください。
・今後の会社の成長のために新しいビジネスエリアにチャレンジさせて下さい
・国がJT株を全部売却したとしても『国産葉タバコ』の買い入れはやめません。

となっています。一方、耕作者の意見は、

・葉タバコは山間部や離島など土地条件的に不利なところでの耕作が多い。多くの地域での主幹作物となっており、経済的に主要な産業である。
・日本の葉タバコは品質改良もあり世界一の品質である。
・葉タバコは関税策が講じられていないが、これは葉タバコ全量をJTが買い取ることが前提である。
・国のJT株保有率が現状を下回ると、JTが利益追求のため葉タバコの買い取りを行わなくなる可能性がある。国の株保有率の見直しは反対である。

とのこと。最後に小売店の意見も見てみましょう。

・小規模小売店は、企業系小売店の増加、タスポの導入等により経営環境が非常に厳しい。
・国のJT株保有率の見直しがあると、小売許可制や卸売価格の上限制、小売定価制に影響が大となると思われる。国の株保有率の見直しは反対である。

とのことです。以上のことを総括し、たばこは財政収入を得るための必要な物資であり、JTの株保有の見直しは課題が多いということで現時点では適当ではないということになっています。

JTの国の関与の在り方との議論で、どうして厚生労働省や医療関連、タバコユーザ、非喫煙者団体の意見をきかないのでしょうか。さすがに、財務省関連のたばこ事業等分科会であれば以上の範囲でしか議論ができないのかもしれません。タバコの良し悪しは私たち個人がしっかり判断しないといけないということを痛感いたしました。