喫煙と生活習慣病

生活習慣病とは、長年の生活習慣の積み重ねによって発症する病気のことです。高血圧や糖尿病のほか、日本人の死因の多くを占める脳卒中や心疾患なども含まれます。

タバコは、良くない生活習慣の代表的存在です。タバコは血管や糖代謝などに悪影響を与え、生活習慣病のリスクを大いに高めます。


タバコは血流を悪くし、命の危険を高める!

日本人の死因の中でも、悪性新生物(がん)に続いて多いのが、脳卒中と心疾患です。特に血管が完全に詰まってしまう脳梗塞や心筋梗塞は、一秒でも早く処置をしないと、そのまま命を落としてしまうこともあります。

タバコは、確実にこれらの病気のリスクを高めることが分かっています。まずニコチンに強力な血管収縮作用があるため、血の流れが悪くなることが大きな原因です。これによって血圧も高くなります。 さらに一酸化窒素はヘモグロビンと結合しやすいことから、血液をドロドロにします。すると血栓ができやすい状態となり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上昇するのです。

ちなみに男性の場合、血流の悪さが真っ先に表れやすい血管に「陰茎動脈」があります。そのため心筋梗塞などを発症する前に、ED症状が出る男性も多いようです。 ED症状のある男性は決して軽視せず、クリニックを受診してバイアグラなどの治療薬を処方してもらうほか、これを機に血管の状態を調べてみることもおすすめします。

タバコは糖代謝を悪くし、糖尿病のリスクを高める!

生活習慣病の中でも、完治が難しい上、さまざまな合併症リスクがあるのが糖尿病です。糖尿病は血糖値が上昇する病気ですが、実はタバコとも深い関係があることが分かっています。

糖尿病を含めたあらゆる生活習慣病の前段階として、「メタボリックシンドローム」にかかる人が多く見られます。もともと脂肪細胞からは「アディポネクチン」という、血糖値を下げる善玉ホルモンが分泌されまるのですが、内臓脂肪がつきすぎて脂肪細胞が肥大化してしまうと、アディポネクチンの分泌は減少します。

実はタバコにも、このアディポネクチンを減らす作用があることが分かったのです。実際、喫煙者と非喫煙者の血液を調べると、アディポネクチンの濃度に差が見られます。 ですからタバコを吸う人ほど糖尿病のリスクは上がるといえるでしょう。

今からでも遅くない!1日でも早い禁煙を

生活習慣病を防ぐためには、喫煙のほかにも食事や運動など、見直す要素はたくさんあります。動物性脂肪が多く野菜が少ない食生活を送っている人や、運動不足の人は、ぜひ意識して改めるべきです。

しかし中でもタバコは、真っ先に改めるべき生活習慣であることに間違いありません。吸うのをやめた瞬間から、ニコチンは消失していき、スムーズな血流が取り戻されていくのです。

自力でやめるのが難しい人は、ぜひ禁煙外来などを活用しながらチャレンジしてみてください。特に生活習慣病のリスクが高まる40歳ごろから禁煙することは、将来の健康にかならずいい種をまくことにつながるでしょう。