たばこ産業の正体

JT(日本たばこ産業)は、たばこの広告をすることを禁止されて以来、マナー広告を大量に流すようになりました。街のごみをひろう運動や、喫煙のマナーを守ろうと促す内容の宣伝です。こうしたマナー広告はさまざまな問題点が指摘されています。

メディアに対する牽制

CM放映に支払われる膨大な広告費は、各メディアの生命線です。たばこに関するネガティブな報道や番組制作に対しての無言の圧力になることは自明です。

これは他のテーマにおいても同様です。CMが多い業種を批判する内容の番組は制作されたり放映されたりすることがないのは容易に推測されます。

たばこの規制が日本で進まない理由の一つにこうした背景があります。日本も締結している「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」は、たばこの広告、販売促進、スポンサー活動を禁じています。たばこの健康被害を人類共通の解決すべき問題の一つととらえているからです。

子供たちにたばこを吸うことを刷り込む恐れ

JTの「ひろえば街が好きになる運動」は、あまり物事を深く考えない人にとっては「落ちているごみを拾う正しい行い」にしか見えません。

参加した子供たちは、「大人になったら、たばこのポイ捨てはやめよう」といわれます。これは同時に「大人になったら、たばこを吸う」こともインプットされてしまう危険性が指摘されています。JTによる未成年への巧妙なイメージ操作と見た場合、否定できません。これは決して勘繰りではなく、実際にたばこ産業は1950年代後期より未成年をターゲットとしてあらゆるイメージ戦略を行ってきたことが明らかにされています。

喫煙者を煙に巻く効果

職場での分煙化の取り組みに関してのJTコンサルティング活動についてのCMがあります。その映像内では、談笑しながら喫煙する数人の男性のシーンがあり、それだけでも「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」違反とされています。

より根本的な問題としては、「吸う人も吸わない人も」と一日に何度もCMで流された結果、古くからある「喫煙者対非喫煙者」という対立軸が強調されることです。このことによって、喫煙者と非喫煙者の双方は、相手が敵であると思わされます。いまだに、たばこの是非を問う論争がこの「喫煙者対非喫煙者」という対立軸でのみ行われるのは、何年も放映されている「マナー広告」の効果と言われています。

喫煙者の敵は非喫煙者ではありません。尊い健康を犠牲にしたうえに従順なたばこ税の納税者に仕立てあげられた喫煙者は、本当の敵がだれなのか、そろそろ気付いても遅くはありません。