禁煙できないように設計された商品

よく愛煙家が口にする「ストレス解消のため」という言い訳は、理由になっていません。解消したいストレスは、たばこを吸えないストレスだからです。したがって、そのストレスから逃れる方法は一つ、たばこをやめることです。しかし、それは決して簡単なことではありません。なぜなら、たばこは禁煙ができないように設計された商品だからです。


ニコチンでないと身体が満足しない

一本のたばこが解消してくれるストレスは、30分前に摂取したニコチンが切れたことで感じるストレスです。鎖のように連続的に吸う喫煙者をチェーンスモーカーと呼ぶのもうなずけます。

恐ろしいのは、ニコチンが切れたときのストレスを解消できるのは、たばこだけだということです。その証拠として、たばこの代わりにガムや飴などを口にして、多くの人が禁煙に失敗しています。

たばこを吸いたくなる仕組み

たばこの煙に含まれるニコチンが肺を通じて血液に入り、脳に達するのにかかる時間はほんの数秒だそうです。脳に到達したニコチンが効力を維持しているのは30分程度、その頃には新たなニコチンが必要となります。実は、喫煙者がそのような状態になるように、ニコチンの適切な含有量を調節していたことが、たばこ会社幹部により証言されています。

一本のたばこが次の一本の引き金になってしまう無限ループ

「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」を受けて、「マイルドセブン」から「メビウス」へと銘柄名を変更したJT(日本たばこ産業)に対して、そのネーミングセンスを称賛する声があります。

メビウスの輪はしばしば無限ループの比喩的な表現として用いられるため、ニコチンの摂取→欠乏→再摂取の輪から抜け出すことができない喫煙者の行動を表すのにぴったりの銘柄名だということです。

ストレスを解消するための行動が、新たなストレスの原因になり、そのサイクルを断ち切ることが困難であるのがたばこの特徴です。1960年代初頭の時点で、たばこ会社はこのことを知っていたことが内部文書で明らかにされています。

その事実は長い間、伏せられていました。喫煙者からの「たばこによって健康を害された」という訴えを「喫煙者が自由意思で吸っているので、たばこ会社は関知しない」として退けるためでした。

たばこは喫煙者が本人の意思で吸っているのではなく、死ぬまで連続的に吸うように、たばこ会社によって設計された商品といえるのではないでしょうか。