睡眠を十分に摂る

禁煙に伴う離脱症状はさまざまですが、中でも多くの人が体験するのが睡眠に対する障害です。

タバコの害から神経組織が完全に回復するまでには時間がかかり、その間は睡眠にさまざまな障害を抱えることとなり、このつらさに耐えかねて再び喫煙してしまう人も少なくないようです。 禁煙に伴い、睡眠にどんな影響が出るのか、あらかじめ把握しておくと良いでしょう。


ニコチンが睡眠に与える影響

タバコを吸うと眠気が消え、集中力が増すように感じる人は多いのですが、これはニコチンによる覚醒作用が働くためです。 ニコチンによる覚醒作用は即効性があり、またかなり強力ですので、多少の無理も可能となってしまいます。

ニコチンが体内から消えれば当然、この覚醒作用もなくなるわけですが、これまでニコチンに頼り切っていた反動で、脳内では覚醒物質が極端に不足した状態になっています。このため、「眠くて眠くて仕方がない」といった状態になる人も多くなります。

この眠気は、数日で消える人もいれば、2ヶ月程度続く人もいますが、夜にしっかりと睡眠時間を確保すればかなり改善していきます。

禁煙のスタート時期は、あまり忙しくない時期を選び、できれば最初の3日程度は休みを取れると良く、この間に眠くなったら寝る、という方法を取ることで離脱症状のつらさをかなり回避できるでしょう。

眠気は、これまで無理して起きてきた反動です。禁煙をきっかけに、これまでの無理を一気に解消すれば、精神的にも健康になることができます。 しっかりと自分自身と向き合ってはいかがでしょうか。

眠気がおさまったあとに、今度は夜中に目が覚める、なかなか眠れないなどの睡眠障害を起こす人もいます。 これも、神経最奥が順調に回復している証拠で、やがては元に戻ります。

睡眠は健康に重要な役割を持つものですので、禁煙に伴って睡眠に障害が現れると、途端に不安になり「やはり私は、体質的にタバコを吸わなければならないのではないか」などと考え、再びタバコを吸ってしまう人も多いのですが、これは明らかに間違いです。

例えば風邪を引いたときも、治る前に一度、ひどくなることがありますが、物事が正しく進んでいるときには、一度あと戻りする時期が必ずあり、それこそが順調に物事が進行している証です。 決して諦めず、しっかりと状況に対処したいものです。

喫煙者の睡眠

実際に、喫煙者の睡眠は非喫煙者に比べて悪いと指摘されています。 まずは寝付きに時間がかかり、さらに睡眠時間も少なめで、睡眠の質も悪く、熟睡する時間が足りていない場合がほとんどです。

実は、喫煙者はうつ病のリスクも高く、自殺者の割合も非喫煙者よりも高いのですが、これには睡眠の質も関わっているかもしれません。 睡眠は人間にとって非常に大切な行為で、十分に熟睡することができれば、日中にため込んだストレスをすべて解消することも可能な身体構造になっているのです。

睡眠が不足することで、喫煙者はストレスが過剰な状態になりがちですが、これがさらなる喫煙を誘発するため、悪循環となってしまい、精神的に多大な負担を抱え続けることとなります。 禁煙は、身体だけでなく精神にも大きな影響を及ぼす行為です。 1日も早く取り組み、豊かな生活を送りたいものですね。