喫煙と胃がん

タバコといえば肺がんのイメージが強いのですが、実際は他のがんにも大きく影響します。特に胃がんは、喫煙によって「確実にリスクが上がる」とされていますので、喫煙者は十分に気をつける必要があります。


喫煙者は、胃がんのリスクが2倍高くなる!

胃がんは、昔から日本人に多いがんです。原因としてはヘリコバクター・ピロリ菌の感染や、塩分の多い食事などが挙げられますが、喫煙も重要なリスク要因の1つとなっています。

国立がん研究センターがおこなった調査でも、男性喫煙者の胃がんリスクが、非喫煙者の約2倍高くなることが分かっています。女性は男性と比べると喫煙率が低いため、明らかな因果関係はつかめなかったようですが、それでも非喫煙者と比べると1.2倍リスクが上がるとの結果が出ています。

タバコは、胃にとって良くないことだらけ

なぜ喫煙が胃がんリスクを高めるかというと、まずタバコに含まれる多くの有害物質の影響が考えられます。タバコには約4,000種類の化学物質が含まれますが、そのうち50以上に発がん性が認められています。 ですから肺がんに関わらず、あらゆるがんのリスクを上げることに間違いはありません。

さらにタバコの煙は肺だけではなく、唾液と混じって胃へと直接流れ込みます。特にピロリ菌感染などによって胃壁が弱くなっているところに、発がん性物質を含む唾液が触れると、がんが発生しやすくなると考えられます。

またタバコを吸うと、胃酸の分泌が促されることも分かっています。胃酸は食べ物をドロドロに消化するほど強い酸性に保たれていますから、過多になれば当然、胃を傷つけやすくなります。 このようにタバコには、胃に良くないことがたくさんあるのです。

年に1度の検診で、胃がんの早期発見を

胃がんは初期症状が少ないがんの1つです。食欲不振や胃痛、腹部膨満感などが数少ない初期症状ですが、多くの早期胃がんはバリウム検査や胃カメラなどで偶然に発見されます。

体重減少や下血、吐血などが見られるころにはかなり進行している状態ですので、場合によっては手術ができないこともあります。早期発見のためには、ぜひ年に1度の胃がん検診を受けるようにしましょう。

幸い日本は昔から胃がんの多い国だったため、検査や治療の技術は世界の中でもトップレベルといわれています。特に喫煙習慣のある人は、バリウムを使ったX線検査に加え、年に1度の胃カメラ検査を受けるとなお安心です。 胃の内側を直接観察できますので、X線では見つけられなかった異常も発見できます。

ごく早期の段階で胃がんを発見できれば、現在では胃カメラの先についたメスで腫瘍を切り取る、シンプルな治療で済むこともあります。それができなくても、最近ではなるべく病巣のみを切除し、胃を温存する方向で治療が検討されます。 ただし発見が遅れすぎた場合は手術ができず、生存率も大幅に下がってしまいますので気をつけたいところです。

胃がんを防ぐためにも、できれば禁煙にチャレンジし、その上で定期検診を欠かさずに受けるようにしましょう。