弱者を狙ってきたたばこ会社

たばこ会社は営利企業です。しかし営利を追求するために何をしてもよいというわけではありません。1950年代にはすでに発がん性があることを認識していたにもかかわらず、それを隠して販売していたことが明らかになっています。

たばこの害が世間に広まるとたばこは売れなくなります。たばこ会社は販売減少の穴埋めをしなければならないとの危機感を持ちました。そこで考えたのは、まだ喫煙率の低かった子供や女性に対して喫煙を促す作戦でした。


未成年を狙った「プロジェクト16」

多くの喫煙者がたばこに手を染めるのが10代の頃であることに着目したインペリアル・タバコ・カナダ社は、思春期の子供たちがたばこを吸う心理を調べるための「プロジェクト16」(シックスティーン計画)という極秘の調査を行っていました。

その結果判明した「仲間に遅れたくない」「大人びて見られたい」「親離れして自立したい」といった若年層の心理を宣伝戦略に応用し、たばこの販売増を実現しました。

女性たちを取り込んだ「自由へのともしび」キャンペーン

1920年代当時、「女性がたばこを吸うことははしたない」という社会通念がありました。アメリカンタバコ社は、「古い価値観から女性たちを解放するもの」というイメージをたばこに与えるため「自由へのともしび」キャンペーンを行い、女性たちを取り込むことに成功しました。

さらには、たばこを吸えば食欲を抑えられる、お菓子の代わりにたばこを吸えばやせられると宣伝し売上を伸ばしました。この女性の心理を巧みについたイメージ戦略は現在も使われています。

軽いたばこのワナ

たばこの害が常識となるなか、若者や女性向けに低ニコチン、低タールをうたった「軽いたばこ」が売られています。一見、害が少ないように見えるため、禁煙をしたいけれどすぐには無理だという喫煙者にも好まれます。

喫煙が習慣となっている人の身体は、一定量のニコチンを欲するようになっているため、軽いたばこに切り替えても、しばらくすると吸う本数が増えてしまいます。結果として、たばこの売上が伸びるというからくりです。

海外では、たばこ会社がその害を知りつつ販売していたことを訴える裁判が頻繁に起こされて敗訴しています。子供や女性を含む喫煙者の健康を犠牲にして、会社の存続を図ってきたことが世界中で糾弾されています。